歯周病治療はいつ終わる?期間の目安と完治までの全ステップを解説

浦和区浦和駅から徒歩5分の歯医者・矯正歯科「浦和サンデー歯科・矯正歯科」です。
歯ぐきからの出血や、なんとなく口の中がネバつく、口臭が気になるなど、歯周病のサインに気づいていても、「治療にどれくらい時間がかかるのだろう」と不安に感じ、歯科医院への受診をためらっている方は少なくありません。歯周病の治療期間は、症状の進行度合いや患者さんお一人おひとりの口腔内の状態によって大きく異なります。
この記事では、歯周病の治療期間に関する多くの疑問を解消し、安心して治療に踏み出せるよう、具体的な情報を提供します。歯周病の進行度別に、治療にかかる期間の目安や通院回数を詳細に解説するほか、治療の全ステップとその工程で何が行われるのかを分かりやすくご紹介します。
さらに、治療後の健康な状態を維持するためのメンテナンスの重要性についても触れています。この記事を読み終える頃には、「歯周病治療はいつ終わるのか」という疑問が解消され、ご自身の状態に合わせた治療の全体像を把握し、歯科医院受診への第一歩を踏み出すきっかけとなるでしょう。
歯周病治療の終わりはどこ?治療のゴールを正しく理解しよう
歯周病治療における「終わり」や「ゴール」という言葉は、一般的な病気の「完治」とは少し異なる意味合いを持ちます。なぜなら、歯周病治療の本当のゴールは、口の中から歯周病の原因菌を完全にゼロにすることではなく、これらの菌をコントロール可能なレベルまで減らし、病気の進行を食い止めることにあるからです。
具体的には、歯ぐきが引き締まって健康な状態を維持できるようになること、歯周ポケットの深さが改善され、歯磨き時や検査時の出血、炎症がなくなることを目指します。そして、患者さんご自身が、歯科医院で習った適切なセルフケアを日々の生活の中で継続できる状態を確立することが、重要な目標となります。
このセクションで大切なのは、「治療の完了=通院の終わり」ではないという考え方を理解していただくことです。歯周病治療は、症状が安定した段階で「メンテナンスの始まり」へと移行します。これは、健康な状態を維持し、再発を防ぐための継続的なケアが不可欠であるという、歯周病治療の基本的な考え方です。
歯周病は「完治」しない?生涯付き合う病気といわれる理由
「歯周病は完治しない」という言葉を聞くと、不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これは歯周病の病態を理解する上で非常に重要な事実です。歯周病は、一度溶けてしまった歯を支える骨(歯槽骨)が、残念ながら完全には元の状態に戻らない不可逆的な病気だからです。
また、口の中に生息する歯周病菌を完全にゼロにすることは、現在の医学では不可能とされています。私たちの口の中には、善玉菌と悪玉菌が常に存在しており、歯周病菌もその一部です。そのため、日々のケアを怠り、口内環境が悪化すると、再び歯周病菌が増殖し、病気が再発したり悪化したりするリスクが常に伴います。
このため、歯周病は高血圧や糖尿病といった他の慢性疾患、いわゆる生活習慣病とよく似た側面を持っています。これらの病気と同様に、歯周病も一度発症すると、その後の人生において「いかに病気と上手に付き合い、管理していくか」が重要になります。歯科医院での定期的なケアと、ご自宅での丁寧な歯磨きを継続することで、健康な状態を長く維持することが可能な病気なのです。
治療期間は進行度によって大きく変わる
歯周病の治療期間を一概に「〇ヶ月です」と言い切ることが難しい最大の理由は、病気の「進行度」が患者さん一人ひとりによって大きく異なるからです。歯周病は、初期の段階である「歯肉炎」から始まり、歯を支える骨の破壊が著しく進む「重度の歯周炎」まで、非常に幅広い段階を持っています。
病気がどの程度進行しているかによって、歯科医師が介入する治療方法の選択肢、治療の複雑さ、そして必要となる通院回数や治療に要する期間が大きく変動します。例えば、歯ぐきの軽い炎症だけであれば比較的短期間で改善が期待できますが、骨の吸収が進んでしまっている場合は、より専門的で集中的な治療が必要となり、期間も長くなります。
このため、「自分の歯周病はどのくらいの期間で治療が終わるのだろうか」という疑問をお持ちの方は多いでしょう。ご安心ください。次のセクションでは、歯周病の進行度別に、治療にかかる期間や通院回数の具体的な目安について詳しく解説していきます。
【進行度別】歯周病治療にかかる期間と通院回数の目安
歯周病の治療期間は、お口の状態や病気の進行度によって大きく変わります。このセクションでは、歯周病を「軽度」「中等度」「重度」の3つのステージに分け、それぞれの治療期間、通院回数、主な治療内容の目安を詳しく解説します。ただし、これらはあくまで一般的な目安であり、患者さん個人の口腔環境、生活習慣、そして治療に対する反応によって変動する可能性があることをご理解ください。過度な期待や不安を抱くことなく、ご自身の状況に近い情報を参考にしてください。
軽度歯周炎(歯肉炎を含む):約1ヶ月~3ヶ月
軽度歯周炎(歯肉炎を含む)は、歯周病の初期段階です。この段階では、歯磨きをしたときに出血したり、歯ぐきが軽く腫れたりするなどの症状が見られます。まだ歯を支える骨が溶け始める前の状態のため、比較的短期間で健康な状態を取り戻せる可能性が高いのが特徴です。
軽度歯周炎の治療期間の目安は、およそ1ヶ月から3ヶ月ほどで、通院回数は2回から4回程度が一般的です。主な治療内容は、歯科衛生士による専門的な歯石除去(スケーリング)と歯の表面のクリーニング、そして患者さんご自身で行う正しいブラッシング方法の指導が中心となります。この段階で適切なケアを始めれば、歯周病の進行を効果的に食い止め、重症化を防ぐことができます。少しでも気になる症状があれば、早期に歯科医院を受診することが大切です。
中等度歯周炎:約3ヶ月~半年
中等度歯周炎になると、歯ぐきからの出血や腫れがさらに顕著になり、歯ぐきから膿(うみ)が出たり、口臭が強くなったりすることがあります。さらに、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶け始め、歯が少しぐらつくようになるケースも見られます。この段階では、歯周ポケットの深さも増していることが多く、専門的な処置が不可欠です。
中等度歯周炎の治療期間の目安は、約3ヶ月から半年ほどで、通院回数は4回から8回程度が一般的です。治療の中心となるのは、「スケーリング・ルートプレーニング(SRP)」と呼ばれる処置です。これは、歯周ポケットの奥深くにある歯石や、細菌に汚染された歯の根の表面を徹底的に除去し、滑らかにする治療です。歯周ポケットの深い部分にある歯石は、一度にすべて取り除くことが難しいため、通常は口の中をいくつかのブロックに分けて、複数回にわたって丁寧に処置を進めていきます。そのため、軽度歯周炎に比べて通院回数と期間が増える傾向があります。
重度歯周炎:半年~1年以上
重度歯周炎は、歯周病が最も進行した段階です。この状態になると、歯を支える骨が大きく失われ、歯がグラグラと大きく動いたり、自然に抜け落ちてしまったりするリスクが非常に高まります。歯ぐきからの出血や排膿、強い口臭といった症状も常態化し、日常生活にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
重度歯周炎の治療期間の目安は、半年から1年以上と非常に長く、場合によってはそれ以上の期間を要することもあります。通院回数も多くなり、長期にわたる治療計画が必要となります。治療は、まず基本的な歯石除去(スケーリング・ルートプレーニング)を行いますが、これだけでは改善が見られない場合、「歯周外科治療」が必要となるケースがほとんどです。歯周外科治療には、歯ぐきを切開して、通常では除去できない深い部分の歯石や病変を取り除く「フラップ手術」や、失われた歯槽骨などの組織を再生させることを目指す「歯周組織再生療法」などがあります。これらの外科処置は、より専門的で複雑なため、治療期間がさらに長くなる傾向にあります。
歯周病治療の全ステップと各工程にかかる期間
歯周病の治療は、一度始めてしまえばどのような流れで進んでいくのか、初診からメンテナンスまで具体的にイメージできると、漠然とした不安も軽減され、計画的に治療に取り組む心構えができるのではないでしょうか。ここでは、歯周病治療の全体像をステップごとに分かりやすく解説します。各ステップで何が行われ、どのくらいの期間や通院回数が必要になるのかを時系列でご紹介していきますので、ぜひご自身の治療の参考にしてください。
Step1. 初診・精密検査(通院1回)
治療の第一歩は、患者さんのお口の状態を正確に把握するための初診と精密検査から始まります。まず、歯科医師や歯科衛生士が、歯ぐきの出血や口臭、お食事の際に感じる不調など、現在の自覚症状や過去の治療歴、普段の生活習慣について詳しくお伺いします。その後、現在の歯周病の進行度を詳細に評価するために、さまざまな検査が行われます。
具体的な検査内容としては、歯と歯ぐきの境目にある溝の深さを測定する「歯周ポケット測定」、歯がどのくらい揺れ動くかを確認する「歯の動揺度検査」、歯周病菌の活動状況を調べる「細菌検査」、そして歯を支える骨の状態をレントゲン写真で確認する「X線検査」などがあります。これらの検査結果は、今後の治療計画を立てる上で非常に重要な土台となりますので、気になることは何でも歯科医師にお伝えください。
Step2. 治療計画の説明・カウンセリング(通院1回)
精密検査で得られた情報をもとに、歯科医師から患者さん一人ひとりに合わせた治療計画が詳しく説明されます。このステップでは、現在の歯周病の進行度がどの程度なのか、どのような治療方法が最適なのか、そして治療にどれくらいの期間と通院回数が必要になるのかといった具体的な見通しが伝えられます。また、保険診療と自費診療の選択肢や、おおよその治療費用についても説明があるでしょう。
患者さんが安心して治療に進めるよう、疑問に思っていることや不安なことに対して質問できるカウンセリングの時間が設けられています。この段階で、ご自身のライフスタイルに合わせた通院ペースの相談や、費用に関する懸念などを積極的に伝え、納得いくまで話し合うことが大切です。提示された治療計画に同意することで、いよいよ実際の治療がスタートします。
Step3. 歯周基本治療(通院2~6回 / 期間1~3ヶ月)
歯周基本治療は、歯周病治療の最も重要で基本的なステップです。この治療の主な目的は、歯周病の原因となるプラーク(歯垢)と歯石を徹底的に除去し、お口の中の環境を改善することにあります。
具体的には、まず歯科衛生士から、患者さんご自身で行う日々のブラッシング(歯磨き)方法について、一人ひとりの口内状況に合わせた丁寧な指導があります。適切な歯ブラシの選び方や動かし方、歯間ブラシやデンタルフロスの効果的な使い方を身につけることで、セルフケアの質を高めます。次に、歯の表面や歯周ポケットの浅い部分に付着した歯石を、スケーラーと呼ばれる専用の器具で除去する「スケーリング」を行います。
さらに、歯周病が進行している場合には、歯周ポケットの深い部分にこびりついた歯石や感染したセメント質を取り除き、歯の根の表面を滑らかにする「ルートプレーニング」という処置も行われます。これらの処置は、一度にすべてを行うと患者さんの負担が大きいため、お口の中をいくつかのブロックに分けて、数回にわたって丁寧に実施されます。そのため、通院回数は2回から6回程度、期間としては1ヶ月から3ヶ月ほどかかるのが一般的です。この基本治療によって歯ぐきの炎症が大きく改善され、健康な状態へと近づきます。
Step4. 再評価検査(通院1回)
歯周基本治療が一通り完了した後には、その治療効果を客観的に確認するための「再評価検査」が行われます。この検査では、初診時と同様に、再度歯周ポケットの深さの測定や歯ぐきの状態(出血の有無、炎症の度合い)の確認などが行われます。レントゲン撮影が行われる場合もあります。
再評価検査の目的は、基本治療によって歯周病の状態がどの程度改善したかを正確に把握し、次の治療ステップを決定することです。もし歯ぐきの炎症が治まり、歯周ポケットの深さも改善されて安定した状態になっていれば、これ以上の外科的処置は不要と判断され、定期的なメンテナンスへと移行します。しかし、一部に深い歯周ポケットが残っていたり、炎症がまだ治まっていない部分がある場合には、さらに専門的な治療、具体的には歯周外科治療が必要かどうかを判断する重要な分岐点となります。
Step5. 歯周外科治療(必要に応じて / 期間1~3ヶ月)
再評価検査の結果、歯周基本治療だけでは改善が不十分で、深い歯周ポケットや骨の破壊が進んでいる場合に検討されるのが「歯周外科治療」です。この治療は、すべての患者さんに必須というわけではなく、限られた状況で選択される高度な処置です。歯周外科治療は、歯周ポケットの奥深くにある、通常の器具では届きにくい歯石や感染組織を直接目で見て確実に取り除くことを目的としています。
具体的な方法としては、歯ぐきを切開してめくり、歯の根やその周囲の骨を露出させて清掃を行う「フラップ手術」があります。また、歯周病によって失われた骨や歯周組織の再生を促すための「歯周組織再生療法」が行われることもあります。これは、特殊な材料を使って骨の再生を誘導する治療です。外科処置後は、歯ぐきの傷が治癒するまでの期間が必要となるため、このステップだけで1ヶ月から3ヶ月ほどの期間を要し、全体の治療期間がさらに延長されることになります。
これらの外科的治療は、歯を長期間にわたって維持するために非常に有効な手段ですが、治療の必要性や方法については、歯科医師と十分に話し合い、納得した上で進めることが大切です。
Step6. メンテナンス(定期的 / 3~6ヶ月に1回)
一連の歯周病治療が完了し、歯ぐきの状態が安定した後の最も重要なステップが「メンテナンス(サポーティブペリオドンタルセラピー/SPT)」です。歯周病は生活習慣病の一種であり、一度治療しても再発しやすい特性を持っています。そのため、歯周病治療の真のゴールは「メンテナンスの開始」であると考えることが非常に大切です。
メンテナンスでは、一般的に3ヶ月から6ヶ月に1回の頻度で歯科医院に通院します。この定期的な通院では、歯科医師や歯科衛生士が歯周ポケットの状態を再度チェックし、歯ぐきに炎症の兆候がないかを確認します。そして、プロの技術による徹底的なクリーニング(PMTC: Professional Mechanical Tooth Cleaning)を行い、普段の歯磨きでは落としきれないプラークや歯石を除去します。また、患者さんのセルフケアの状況を確認し、必要に応じてブラッシング指導を再度行うことで、お口の健康を高いレベルで維持できるようサポートします。
この継続的なメンテナンスこそが、治療によって得られた健康な状態を長期的に維持し、歯周病の再発を防ぎ、ひいては歯を失うリスクを最小限に抑えるための鍵となります。忙しい日常の中でも、この定期的なケアを習慣にすることが、生涯にわたるお口の健康を守ることにつながります。
なぜ歯周病治療には時間がかかるのか?3つの理由
歯周病の治療期間がなぜ数ヶ月から1年以上と長期間に及ぶのか、多くの患者様が疑問に思われることでしょう。この疑問を解消するために、ここでは歯周病治療が長引く主な理由を3つの視点から詳しく解説していきます。体の治癒メカニズムや治療の性質など、専門的な観点からその理由を理解することで、治療に対する納得感を深め、安心して治療に臨んでいただけるようになります。
理由1:歯ぐきの回復を待つ必要があるため
歯周病治療に時間がかかる一つ目の理由は、人間の体が持つ自然な治癒プロセスに時間がかかるためです。歯科医院での歯石除去などの処置によって、歯ぐきは一時的に刺激を受けます。この刺激を受けた歯ぐきが、炎症が治まって健康な状態に引き締まるまでには、一定の期間を要します。たとえば、歯周基本治療の後に実施される「再評価検査」は、歯ぐきの状態が安定し、治療の効果を正確に判断するために、通常は数週間から1ヶ月以上期間を空けて行われます。
これは、体の組織が回復するための時間を見込んでおり、無理に治療を急ぐとかえって十分な効果が得られない可能性があります。歯周病治療は、体のペースに合わせて段階的に進める必要があるため、どうしても時間がかかることをご理解ください。
理由2:歯周ポケットの奥深くの歯石を丁寧に取り除くため
治療期間が長くなる二つ目の理由は、歯周病の原因となる歯石の除去が非常に繊細で難しい作業だからです。歯周病が進行すると、歯石は歯ぐきの縁だけでなく、歯周ポケットと呼ばれる歯ぐきの奥深くにまで硬く付着します。この歯周ポケット内の歯石は、目視できない位置にあるため、歯科医師や歯科衛生士は専用の器具(スケーラー)を使い、手探りで丁寧に除去しなければなりません。
この際、歯の根の表面を傷つけないよう細心の注意を払う必要があり、一度にすべての歯石を取り切ることは困難です。そのため、通常は口の中をいくつかのブロックに分け、複数回にわたって少しずつ処置を進めていきます。このような丁寧な作業が求められるため、通院回数が増え、結果として治療期間が長くなる傾向があるのです。
理由3:正しいセルフケアの習慣化が必要なため
歯周病治療に時間を要する三つ目の理由は、患者様ご自身による日々のセルフケアが治療成功の鍵を握っているからです。歯周病治療は、歯科医院で行う専門的な処置だけで完結するものではありません。歯周病の根本原因であるプラーク(歯垢)は毎日形成されるため、ご自宅での正しい歯磨きなどのプラークコントロールが不可欠です。
歯科医院では、磨き残しが多い部分や効果的な歯磨きの方法について具体的な指導を行います。しかし、その指導を理解し、毎日の生活の中で実践し、それが当たり前の「習慣」となるまでには、ある程度の時間が必要です。治療の各段階でセルフケアの状況を確認し、必要に応じて再指導を行うため、患者様のセルフケアの習得度合いも治療期間に影響を与える要因の一つとなります。
歯周病の治療期間をできるだけ短くするための4つのポイント
これまで、歯周病の治療期間が症状の進行度によって大きく異なり、数ヶ月から1年以上かかることもあるとお話ししてきました。しかし、「治療期間を少しでも短くしたい」と考えるのは自然なことです。病気の進行度や体の反応に左右される部分は大きいものの、患者さんご自身の意識と行動によって、治療をスムーズに進め、結果的に期間の短縮につながる可能性があります。ここでは、歯周病治療を効率的に進めるために大切な4つのポイントを具体的に解説していきます。
ポイント1:症状が軽いうちに早期受診する
歯周病治療において、最も重要で効果的な期間短縮のポイントは「早期発見・早期治療」に尽きます。歯磨きの際に出血がある、歯ぐきが少し腫れている、といった些細なサインを見逃さず、歯周病が軽度な段階、つまり歯肉炎の段階で歯科医院を受診することが非常に大切です。
歯肉炎や軽度歯周炎であれば、治療は比較的シンプルです。歯科衛生士による歯石除去(スケーリング)と、患者さんご自身で行う正しいブラッシング方法の指導が中心となり、通院回数も少なく、通常1ヶ月から3ヶ月程度の短期間で健康な状態を取り戻せる可能性が高まります。しかし、症状を放置して歯周病が重症化してしまうと、治療は格段に複雑になり、期間も費用も大幅に増大してしまいます。例えば、軽度であれば数回の通院で済むところが、重度になると半年から1年以上の治療期間と、外科処置が必要になるケースも少なくありません。早期受診は、時間的・経済的な負担を最小限に抑える上で最も効果的な手段と言えるでしょう。
ポイント2:歯科医院での治療を中断しない
一度始まった歯周病治療は、ご自身の判断で中断せず、歯科医師の指示に従って最後まで続けることが極めて重要です。仕事が忙しい、または少し歯ぐきの出血が減ったように感じるからといって、途中で通院をやめてしまう患者さんもいらっしゃいますが、これは非常に危険な行為です。
歯周病菌は、歯周ポケットの奥深くに潜んでおり、一度歯石除去などの処置を行っても、取り切れなかった細菌が再び増殖し、病状が悪化・再発するリスクが常にあります。治療を中断すると、せっかく改善傾向にあった歯ぐきの状態が元に戻り、以前よりもさらに深刻な状態になることがほとんどです。結果として、次に治療を再開する際には、より複雑で長期間にわたる治療が必要になり、当初よりも多くの時間と費用がかかってしまうことになります。決められたスケジュール通りに通院を継続することが、結果的に最も効率的で、治療期間を短縮するための近道となることを覚えておきましょう。
ポイント3:自宅でのセルフケアを徹底する
歯周病治療は、歯科医院で行われる専門的な処置だけで完結するものではありません。患者さんご自身が自宅で毎日行うセルフケアが、治療の成否と期間に大きく影響します。歯周病の根本原因であるプラーク(歯垢)は、毎日の食事によって絶えず作られるため、日々の歯磨きでいかにそれを効率的に除去できるかが、治療の効果を左右する鍵となります。
歯科医院では、患者さん一人ひとりの口の状態に合わせて、磨き残しが多い部分や効果的なブラッシング方法について指導が行われます。その指導内容を忠実に実践し、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなども活用して、プラークの除去率を高める努力が不可欠です。セルフケアの質が高ければ、歯ぐきの炎症改善も早まり、治療がスムーズに進むため、全体の治療期間の短縮につながります。逆に、セルフケアを怠ると、歯科医院での治療効果が半減してしまい、治療期間が長引く原因となりますので注意が必要です。
ポイント4:生活習慣を見直す(禁煙など)
歯周病の進行や治療の治癒に影響を与える生活習慣を見直すことも、治療期間短縮のための重要なポイントです。特に、喫煙は歯周病の最大のリスクファクターの一つとして広く認識されています。
喫煙は、歯ぐきの毛細血管を収縮させて血流を悪化させ、歯周組織への酸素供給を妨げます。これにより、歯周病菌に対する体の抵抗力が低下し、歯周病を悪化させやすく、また治療効果を著しく低下させてしまいます。さらに、傷の治りを遅らせるため、外科処置後の回復にも悪影響を及ぼします。禁煙することで、歯周病の治療効果が劇的に高まり、治癒が促進されることが多くの研究で示されています。喫煙されている方は、これを機に禁煙を検討することをおすすめします。その他、バランスの取れた食事や十分な睡眠、ストレスの適切な管理なども、全身の免疫力を高め、歯周病治療をサポートする上で非常に重要です。健康的な生活習慣は、歯周病治療だけでなく、全身の健康維持にもつながります。
歯周病治療に関するよくある質問
歯周病治療は、進行度合いや個人の状態によって期間が異なるため、多くの方が「一体いつまで治療が続くのだろう」という不安を抱えています。しかし、治療期間以外にも、実際に治療を受けるとなると、痛みや費用、通院のしやすさなど、さまざまな疑問が浮かび上がってくるものです。このセクションでは、皆さんが抱きやすい細かな疑問に対し、Q&A形式で分かりやすく解説していきます。
Q1. 治療中に痛みはありますか?
歯周病治療では、歯周ポケットの奥深くにある歯石を除去するスケーリング・ルートプレーニング(SRP)や、場合によっては歯周外科治療といった処置を行います。これらに対して「痛みがあるのではないか」と不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかしご安心ください、通常は局所麻酔を使用しますので、治療中に強い痛みを感じることはほとんどありません。
麻酔が効いている間は、触られている感覚はありますが、痛みは感じにくい状態です。治療後に麻酔が切れると、多少の痛みや違和感が出ることがありますが、その際は歯科医師から処方される痛み止めを服用することで、症状を和らげることができます。現在の歯科医療では、患者さんの負担を最小限に抑えるためのさまざまな配慮がなされていますので、過度な心配は不要です。不安なことや疑問な点があれば、遠慮なく歯科医師やスタッフに伝えてください。
Q2. 治療にかかる費用はどのくらいですか?保険は適用されますか?
歯周病治療にかかる費用は、患者さんの歯周病の進行度や治療内容によって大きく異なります。初診時の検査から、基本的な歯石除去などの歯周基本治療、そして治療後の定期的なメンテナンスまでの一連の標準的な治療は、基本的に健康保険が適用されます。そのため、保険証をお持ちであれば、自己負担割合に応じた費用で治療を受けられます。
ただし、歯周病が重度に進行し、歯周組織再生療法のような一部の先進的な外科治療が必要になった場合や、審美性を目的とした白い被せ物などを希望される場合は、保険適用外(自費診療)となることがあります。自費診療は保険診療に比べて費用が高くなりますが、より専門的な材料や技術を用いた治療の選択肢が広がります。具体的な治療計画とそれにかかる費用については、治療開始前に必ず歯科医院で詳しく説明を受けるようにしてください。疑問があればその場で質問し、納得した上で治療を進めることが大切です。
Q3. 仕事が忙しいのですが、通院ペースは調整できますか?
仕事や家庭の都合で忙しく、なかなか歯科医院に通う時間が取れないと悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。しかし、多くの歯科医院では、患者さんのライフスタイルに合わせて柔軟に治療計画を立ててくれます。例えば、通院間隔を少し調整したり、土日や夜間に診療を行っている歯科医院を選んだりすることで、無理なく治療を継続することが可能です。
治療を自己判断で中断してしまうと、病状が悪化し、かえって治療期間が長引いたり、費用がかさんでしまったりするリスクがあります。そのため、忙しい中でも治療を続けるためには、事前に歯科医師やスタッフに現在の状況をしっかりと伝え、相談することが非常に重要です。コミュニケーションを通じて、ご自身にとって最適な通院プランを一緒に見つけていきましょう。
Q4. 治療を途中でやめるとどうなりますか?
「少し症状が良くなったから」「仕事が忙しくなったから」といった理由で、歯周病治療を途中でやめてしまうと、非常に深刻な結果を招く可能性があります。症状が一時的に和らいだとしても、歯周ポケットの奥深くにはまだ多くの歯周病菌が残っており、治療を中断するとこれらの菌が再び活動を始めて、病状は確実に悪化していきます。
治療を中断すると、以下のような複数のデメリットが発生します。まず、中断前よりもさらに深刻な状態になり、次に治療を再開する際には、より複雑で大規模な治療(抜歯や外科手術など)が必要になる可能性が格段に高まります。これにより、治療期間は大幅に延び、それに伴って費用もかさむことになります。そして何よりも、歯を失うリスクが非常に高まってしまうのです。歯周病は一度発症すると自然に治ることはありません。大切な歯を守るためにも、治療は自己判断で中断せず、最後までやり遂げることが非常に重要です。
まとめ:計画的な治療と継続的なメンテナンスで歯の健康を守ろう
歯周病の治療期間は、病気の進行度や個人の口腔内の状態によって大きく異なりますが、どの段階であっても、歯科医師と相談しながら計画的に治療を進めることが何よりも大切です。
このコラムでもお伝えしたように、歯周病治療の本当のゴールは「完治」という一過性の終わりではなく、「歯周病が再発しにくい安定した状態を維持するためのメンテナンスの始まり」にあります。歯周病は、適切な治療と継続的なセルフケア、そしてプロフェッショナルなメンテナンスを組み合わせることで、十分にコントロールできる病気です。多くの方が抱える「歯を失うかもしれない」という不安も、正しい知識と行動によって大きく軽減できるでしょう。
歯ぐきの出血や腫れ、口臭など、もし歯周病のサインに気づいたら、それは体からの大切なメッセージです。症状が軽いうちであれば、比較的短期間で健康な状態を取り戻すことが可能です。まずは一度、専門家である歯科医師に相談し、ご自身の口腔内の状態を正確に把握することから始めてみませんか。あなたの大切な歯を守るために、今日から一歩を踏み出すことが、未来の健康へとつながります。
少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
日本大学歯学部卒業後、現在に至る。
【略歴】
・日本大学歯学部 卒業
さいたま市浦和区浦和駅から徒歩5分の歯医者・矯正歯科
『浦和サンデー歯科・矯正歯科』
住所:埼玉県さいたま市浦和区仲町1丁目10-1 PORAMビル 1F
TEL:048-826-6161