口ゴボはマウスピース矯正で治せる?後悔しないための判断基準

浦和区浦和駅から徒歩5分の歯医者・矯正歯科「浦和サンデー歯科・矯正歯科」です。
口元の突出感、いわゆる「口ゴボ」にお悩みで、マウスピース矯正を検討されている方は少なくないでしょう。この口ゴボは、マウスピース矯正で改善できるケースと、そうではないケースがあります。ご自身の口ゴボがどのタイプに当てはまるのか、マウスピース矯正でどこまで改善が期待できるのかを正しく理解することが、治療選択で後悔しないための第一歩となります。
この記事では、まず口ゴボとはどのような状態を指すのか、そしてご自身で簡単に確認できるセルフチェックの方法をご紹介します。さらに、マウスピース矯正で口ゴボが改善しやすいケースと、改善が難しいケースを具体的に解説し、もしマウスピース矯正だけでは対応が難しい場合の他の治療法についても触れていきます。
治療を開始する前にどのような情報を確認し、どのような基準でクリニックを選べば良いか、治療にかかる期間や費用の目安、治療を成功させるための注意点などについて説明します。この記事を通して、ご自身の状況を客観的に把握し、最適な治療を見つけるための具体的な指針としてお役立てください。
そもそも口ゴボとは?原因とセルフチェック
口元の突出感に悩む方がご自身の状態を客観的に把握できるよう、このセクションでは「口ゴボ」という状態の定義から、ご自宅で簡単にできるセルフチェックの方法、そしてその主な原因までを詳しく解説していきます。
単に前歯が出ている「出っ歯」とは異なり、口ゴボは口元全体が前に出ているように見える状態を指します。ご自身の口ゴボがどのタイプに当てはまるのかを知ることは、適切な治療法を選択するための第一歩となるでしょう。
口元の突出感が気になる「口ゴボ」の定義
「口ゴボ」とは、歯列全体や顎の骨格が原因で口元全体が突出して見える状態を指します。医学的な正式名称ではありませんが、美容医療や歯科矯正の分野で一般的に使われる言葉です。
単に前歯だけが前に出ている「出っ歯(上顎前突)」とは異なり、上下の唇が前方に出ていたり、鼻と顎を結んだライン上に唇が収まらない、といった特徴があります。口を自然に閉じることが難しく、無理に口を閉じようとすると顎の先端に梅干しの種のようなシワ(オトガイ筋の緊張)ができることも、口ゴボの具体的な兆候の一つです。
これらの特徴は、ご自身で鏡を見たり、横顔の写真を撮ったりすることで確認できます。口ゴボの状態が続くと、見た目だけでなく、口が閉じにくいために口呼吸になりやすく、ドライマウスや歯周病のリスクを高めることにもつながることがあります。
横顔の美しさの基準「Eライン」でチェックしてみよう
横顔のバランスの美しさを評価する際に、一つの目安となるのが「Eライン(エステティックライン)」です。Eラインとは、鼻の先端と顎の先端を直線で結んだ線のことを指します。
理想的なEラインでは、この直線上に唇の先端が触れるか、あるいはやや内側にある状態とされています。唇がEラインよりも前に突出している場合、口元が出ている、すなわち口ゴボである可能性が高いと判断できます。
ご自身の横顔をサイドから撮影した写真を使って、鼻の先端と顎の先端を定規などで結んでみましょう。その線に対して唇がどのように位置しているかを確認することで、客観的に口元の突出度合いをセルフチェックできます。ただし、Eラインはあくまで美的な基準の一つであり、個人の顔立ちや骨格によって理想とされるEラインは異なるため、あくまで参考として捉えることが大切です。
口ゴボの主な原因は「歯並び」と「骨格」の2タイプ
口ゴボの原因は大きく分けて「歯並び(歯性)」によるものと「顎の骨格(骨格性)」によるものの2つのタイプがあります。ご自身の口ゴボがどちらのタイプに当てはまるかによって、適切な治療法が大きく変わってきます。
「歯性」の口ゴボは、歯の生えている位置や傾き、または歯の大きさが原因で口元が突出して見える状態です。例えば、前歯が前方に傾斜していたり、歯が並ぶスペースが不足しているために全体的に歯列が前に押し出されてしまったりするケースがこれに該当します。遺伝的な要因に加え、幼少期の指しゃぶりや爪噛み、舌で前歯を押す癖などが原因で起こることもあります。
一方、「骨格性」の口ゴボは、上顎や下顎の骨自体が大きい、あるいは骨の位置関係が前後にずれていることによって口元が突出して見える状態を指します。こちらは遺伝的要因が大きく影響することが多く、歯並びを整えるだけでは根本的な改善が難しい場合があります。口ゴボの原因を正確に診断することは、後悔のない治療選択のために極めて重要です。
マウスピース矯正で口ゴボは治せる?改善できるケース・難しいケース
口元の突出感、いわゆる「口ゴボ」にお悩みで、マウスピース矯正を検討している方も多いのではないでしょうか。マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使って歯を少しずつ動かし、歯並びを整える治療法です。目立ちにくく、ご自身で取り外しができるため、日常生活への影響が少ないことから人気を集めています。
しかし、口ゴボの原因は人それぞれであり、マウスピース矯正ですべての口ゴボが改善できるわけではありません。歯の傾きが主な原因である「歯性」の口ゴボには効果が期待できる一方で、顎の骨格に原因がある「骨格性」の口ゴボの場合には、マウスピース矯正単独での改善には限界があります。
このセクションでは、ご自身の口ゴボがマウスピース矯正でどの程度改善可能なのか、その適応範囲と限界について詳しく解説していきます。具体的な症例を交えながら、マウスピース矯正の治療メカニズムとともに、どのような場合に効果が見込めるのか、またどのような場合に他の治療法を検討すべきなのかを掘り下げていきます。
【改善が期待できる】歯の傾きが原因の「歯性」の口ゴボ
口ゴボの中でも、歯の傾きや生えている位置が主な原因となっている「歯性の口ゴボ」は、マウスピース矯正で改善が期待できる代表的なケースです。マウスピース矯正では、歯列全体を奥歯の方向に少しずつ移動させる「遠心移動」や、歯が並ぶアーチを側方に広げる「歯列弓の拡大」といった方法で、口元を内側に入れるスペースを作り出し、突出感を解消していきます。
また、前歯の角度が過度に前方に傾いている場合には、歯の傾きを内側に入れるような歯の動きを精密にコントロールすることも可能です。これらの歯の移動を効率的に行うために、歯の側面をごくわずかに削る「IPR(Interproximal Reduction)」という処置を併用してスペースを作ることもあります。
さらに、中等度の歯性の口ゴボでは、歯を並べるスペースが大きく不足している場合、健康な歯(主に小臼歯)を抜歯して、より多くのスペースを確保した上で、前歯全体を大きく後方に移動させる「抜歯を併用した矯正治療」が選択されることもあります。このように、軽度から中等度の歯性の口ゴボであれば、様々なアプローチで口元の突出感を改善し、横顔を美しく整えることが可能です。
【改善が難しい】顎の骨が原因の「骨格性」の口ゴボ
一方で、顎の骨そのものの大きさや位置に原因がある「骨格性の口ゴボ」は、マウスピース矯正単独では改善が難しいとされています。マウスピース矯正は、あくまで「歯」を動かす治療であり、顎の骨格自体を大きく変化させることはできません。例えば、上顎骨全体が前方に突出している、あるいは下顎骨が後方に引っ込んでいるといった骨格的な問題がある場合、歯だけを動かしても口元の突出感を十分に解消することは難しいのです。
骨格的な問題が大きいにも関わらず、無理にマウスピース矯正だけで治療を進めようとすると、期待していたほど口元が引っ込まなかったり、かえって歯並びや噛み合わせに不具合が生じたりするリスクがあります。例えば、前歯だけを無理に内側に入れ込もうとすることで、歯の根に過度な負担がかかったり、将来的な歯の安定性に問題が生じる可能性も考えられます。
このようなケースでは、歯の移動だけでなく、顎の骨格自体へのアプローチが必要となるため、他の治療法との組み合わせや、より専門的な治療が検討されることになります。ご自身の口ゴボの原因が骨格性であると診断された場合は、その限界を理解し、歯科医師と十分に相談して治療方針を決めることが大切です。
マウスピース矯正だけでは治せない場合の治療選択肢
骨格性の口ゴボや、歯性の口ゴボの中でも歯の移動量が非常に大きい重度の症例では、マウスピース矯正だけでは十分な改善が難しいことがあります。このような場合でも、美しい口元を手に入れるための治療選択肢は複数存在します。
まず、歯を大きく、より強力に動かすことが得意なのが「ワイヤー矯正」です。特に、歯の裏側に装置をつける「舌側矯正(裏側矯正)」は、目立たずに治療を進めたいという方にも適しています。ワイヤー矯正は、顎の骨格と歯並びのバランスを考慮し、抜歯を伴うことで口元を大きく後退させるなど、マウスピース矯正よりも広範囲な歯の移動に対応できる場合があります。
また、口元の突出感が非常に強く、顎の骨格的な問題が大きいと診断された場合には、「外科的矯正治療」が検討されます。これは、歯の矯正治療と並行して、口腔外科医が顎の骨を切って位置を修正する手術を行う治療法です。外科的矯正治療は、劇的な改善が期待できる一方で、身体的な負担や費用も大きくなります。精密な診断と、矯正歯科医と口腔外科医との連携が不可欠な治療です。
どの治療法が最適かは、精密検査の結果や、患者さんの希望、ライフスタイルによって異なります。そのため、複数の治療選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリットを丁寧に説明してくれる歯科医院を選ぶことが非常に重要です。自分にとって最も納得のいく方法で、理想の口元を目指しましょう。
後悔しないための判断基準|マウスピース矯正を始める前に確認すべきこと
口元の突出感(口ゴボ)の治療を始める際、後悔しないためには、いくつかの重要なポイントを事前に確認しておくことが大切です。「マウスピース矯正なら手軽に治せる」といった情報だけで安易に判断してしまうと、期待通りの結果が得られなかったり、かえって後悔につながったりする可能性もあります。
このセクションでは、これから矯正治療を検討される皆さんが、信頼できる歯科医師と相談しながら慎重に治療法を選べるよう、4つの判断基準について詳しく解説します。見た目の改善はもちろん、長期的な歯の健康や機能性も考慮した、ご自身に最適な治療を選ぶための指針としてご活用ください。
判断基準1:精密検査で口ゴボの原因を正しく診断できているか
口ゴボの治療を成功させるためには、その原因がどこにあるのかを正しく診断することが最も重要です。口ゴボには、歯の生え方や傾きが原因の「歯性」と、顎の骨格に問題がある「骨格性」の2つのタイプがあります。このどちらであるかを科学的に判断するために不可欠なのが「精密検査」です。
精密検査では、口元の突出感の程度や、歯並び、噛み合わせの状態を詳細に分析します。特に、横顔の骨格のバランスを評価するためのセファログラムという特殊なレントゲン撮影や、顎の骨の状態を三次元的に把握できる歯科用CTは、正確な診断に欠かせません。これらの検査を丁寧に行わず、目視や簡易的なレントゲンだけで治療計画を立ててしまうと、期待通りの結果が得られなかったり、治療が長引いてしまったりするリスクがあるため、注意が必要です。
経験豊富な歯科医師が、時間をかけて精密検査を行い、その結果をもとに口ゴボの原因を明確に説明してくれるクリニックを選ぶようにしましょう。適切な診断があって初めて、ご自身に合った治療法が提案され、安心して治療を進めることができます。
判断基準2:抜歯の必要性とその理由を説明されているか
口ゴボの治療において、歯を抜くかどうか(抜歯の要否)は、治療結果を大きく左右する重要な判断となります。口元の突出感を改善するためには、歯を後方に動かすスペースが必要ですが、歯がきれいに並ぶためのスペースが不足している場合、健康な歯(主に小臼歯)を抜く選択肢が検討されることがあります。
「できれば歯を抜きたくない」と感じる方は多いですが、抜歯が必要な症例で無理に非抜歯で治療を進めると、歯を十分に後退させることができず、口元の突出感が解消されない、または歯が前方に傾いてしまうなどのリスクが生じることがあります。また、歯並びは整っても、口元は改善されず、結果的に後悔につながる可能性も否定できません。
信頼できる歯科医師は、抜歯・非抜歯それぞれのメリットとデメリット、そしてご自身の口ゴボのタイプに対してなぜ抜歯が必要なのか(あるいは不要なのか)を、納得できるまで具体的に説明してくれます。治療後のシミュレーションなども用いながら、丁寧に説明してくれるかどうかは、医師との信頼関係を築く上で非常に重要なポイントとなるでしょう。
判断基準3:3Dシミュレーションで治療後のイメージが共有できているか
マウスピース矯正の大きな利点の一つが、治療後の姿を事前に「3Dシミュレーション」で可視化できることです。多くのマウスピース矯正システムでは、治療開始前に、歯がどのように動き、最終的にどのような歯並びになり、口元がどのように変化するかを立体的なCGで確認できます。
この3Dシミュレーションは、患者さんと歯科医師が「治療のゴール」に対する共通認識を持つ上で非常に有効です。特に口ゴボの改善においては、横顔の印象がどのように変わるのか、口元の突出感がどの程度解消されるのかを、治療前に具体的にイメージできるため、治療への期待感を高めるとともに、不安の軽減にもつながります。
シミュレーションを通じて、ご自身の希望が治療計画に反映されているか、また、治療後の仕上がりに納得できるかどうかを十分に確認しましょう。もし疑問や不安な点があれば、納得できるまで歯科医師に質問し、理想の口元を具体的に共有した上で治療をスタートすることが大切です。
判断基準4:信頼できる矯正歯科・クリニックの選び方
口ゴボのマウスピース矯正で後悔しないためには、信頼できる矯正歯科・クリニックを選ぶことが非常に重要です。いくつか具体的なチェックポイントがありますので、参考にしてください。
まず、矯正治療を専門的に行っている歯科医師、特に「日本矯正歯科学会」などの学会が認定する認定医や専門医が在籍しているかどうかを確認しましょう。専門知識と豊富な経験を持つ医師による診断と治療は、安全で質の高い結果につながります。また、マウスピース矯正だけでなく、ワイヤー矯正など他の治療法も選択肢として提示し、それぞれのメリット・デメリットを公平に説明してくれるクリニックは、患者さんの状態に合わせた最適な治療を提案してくれる可能性が高いです。
次に、治療費の総額や追加費用の発生について、契約前に明確な説明があるかも重要です。初診料、検査料、装置代、調整料、保定装置代などが全て含まれた「トータルフィー制度」を採用しているクリニックであれば、治療途中で追加費用が発生する心配が少なく、安心して治療に専念できます。さらに、カウンセリングが丁寧で、ご自身の疑問や不安に対して親身になって耳を傾け、わかりやすく説明してくれるかどうかも、信頼できるクリニックを見極める上で大切な要素です。
可能であれば、複数のクリニックでカウンセリングを受け、比較検討することをおすすめします。そうすることで、ご自身にとって最も納得のいく、信頼できる歯科医師と出会うことができるでしょう。
口ゴボのマウスピース矯正|期間・費用・注意点の目安
口ゴボの治療でマウスピース矯正を検討する際、多くの方が気になるのは「どれくらいの期間で治るのか」「費用はどのくらいかかるのか」「治療中にどんな点に気をつけたら良いのか」といった具体的な情報ではないでしょうか。このセクションでは、これらの疑問にお答えするため、期間や費用、そして治療を成功させるための注意点について詳しく解説します。
ただし、口ゴボの状態や原因は人それぞれ異なり、それによって治療計画や期間、費用も大きく変わります。ここで示すのはあくまで一般的な目安であり、ご自身の状況に合わせた正確な情報は、精密検査を受けた上で担当の歯科医師から直接確認することが最も大切です。
治療を始める前に、現実的なイメージを持つための参考にしてください。
治療期間の目安
マウスピース矯正で口ゴボを改善する場合の治療期間は、口ゴボの原因や重症度、抜歯の有無などによって大きく変動します。一般的に、抜歯を伴わない軽度の歯性の口ゴボであれば、1年から1年半程度の期間で歯を動かす治療が完了するケースが多く見られます。
一方で、抜歯を伴う中等度から重度のケースでは、歯を大きく移動させる必要があるため、2年から3年程度の期間を要することもあります。この治療期間は、マウスピースを指示通りに装着できているか、といった患者さん自身の協力度にも左右されます。
歯を動かす「動的治療期間」が終わった後も、歯並びが元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐために、別途「保定期間」が必要です。この保定期間は一般的に動的治療期間と同程度かそれ以上とされることが多く、保定装置(リテーナー)の使用が不可欠となります。
費用の目安と内訳
口ゴボのマウスピース矯正にかかる費用は、全体矯正の場合、おおよそ80万円から100万円程度が目安となることが多いです。ただし、これはあくまで一般的な相場であり、クリニックや治療内容、使用するマウスピースの種類によって異なります。
この費用には、初診時の精密検査料、マウスピース装置代、調整料(通院ごとの費用)、保定装置代などが含まれるのが一般的ですが、クリニックによっては料金体系が異なるため注意が必要です。例えば、「トータルフィー制度」を採用しているクリニックでは、治療開始前に総額が提示され、それ以降は追加費用がかからない場合もあります。契約前に費用の総額と内訳について、必ず書面で明確な説明を受けるようにしてください。
矯正治療は原則として公的医療保険が適用されない自由診療ですが、噛み合わせに問題があるなど特定の条件を満たす症例や、口ゴボによって身体機能に著しい障害が生じていると診断された場合は、医療費控除の対象となることがあります。領収書は必ず保管し、確定申告時に確認することをおすすめします。
治療を成功させるための注意点(装着時間・口腔ケア)
マウスピース矯正で口ゴボを効果的に改善し、治療計画を成功させるためには、患者さん自身が日々の注意点を守ることが非常に重要です。特に重要なのは、「マウスピースの装着時間」と「徹底した口腔ケア」の2点です。
まず、マウスピースの装着時間については、原則として1日20時間から22時間以上の装着を厳守する必要があります。食事や歯磨きの時以外は常に装着している状態が理想です。装着時間が短すぎると、歯の移動が計画通りに進まず、治療期間が延長したり、最悪の場合、計画通りの結果が得られなくなったりするリスクがあります。新しいマウスピースに交換したばかりの頃は特に、しっかりと装着時間を守ることで、次のステップへとスムーズに進むことができます。
次に、徹底した口腔ケアも欠かせません。食事の際は必ずマウスピースを外し、食後は歯磨きを済ませてから再装着してください。マウスピースを装着したまま糖分を含む飲み物を摂ったり、歯磨きを怠ったりすると、マウスピースと歯の間に汚れが溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが著しく高まります。また、マウスピース自体も清潔に保つため、専用の洗浄剤などで毎日ケアすることが大切です。これらの注意点を守ることで、健康な歯を保ちながら安心して治療を進めることができます。
治療後の後戻りを防ぎ、美しい口元を維持するポイント
矯正治療によって手に入れた整った歯並びや口元は、多くの方にとって喜びをもたらすものです。しかし、治療が終わったからといってそれで全てが完了するわけではありません。歯は治療後に元の位置に戻ろうとする「後戻り」という現象を起こす可能性があります。この後戻りを防ぎ、長期にわたって美しい口元を維持するためには、治療後のアフターケアが非常に重要です。
矯正治療そのものと同じくらい大切なのが、後戻りを防ぐための保定装置(リテーナー)の正しい使用と、日常生活における習慣の見直しです。適切なアフターケアを行うことで、せっかくの時間と費用をかけた治療結果が無駄になるのを防ぎ、理想の口元を長く保つことができます。
保定装置(リテーナー)の重要性
矯正治療で歯を動かした後、その歯が安定した位置に留まるためには一定の期間が必要です。この期間に歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐために不可欠なのが「保定装置(リテーナー)」です。リテーナーは、矯正治療によって動かされた歯の周囲の骨や歯茎などの組織が、新しい位置でしっかりと固まるまで歯を固定しておく役割を果たします。
リテーナーには、透明なマウスピースのようなタイプや、歯の裏側に細いワイヤーを接着して固定するタイプなど、いくつかの種類があります。どのタイプを使用するかは、患者さんの歯並びの状態や生活習慣、そして歯科医師の判断によって決められます。歯科医師から指示された期間と時間、正しくリテーナーを装着し続けることが、後戻りを防ぎ、矯正治療の成果を長期間維持するための最も重要な鍵となります。指示通りにリテーナーを使用しないと、せっかく整った歯並びが乱れてしまう可能性があるので注意が必要です。
口呼吸や舌の癖など、後戻りの原因となる習慣の改善
リテーナーによる保定と並行して、美しい歯並びと口元を維持するために見直すべき重要なポイントがあります。それは、無意識のうちに行っている可能性のある「口呼吸」や「舌の癖」といった習慣です。これらの癖は、歯並びに持続的な圧力をかけることで、矯正治療後の歯を再び乱してしまう大きな要因となることがあります。
例えば、常に口が開いている口呼吸は、口腔周囲の筋肉のバランスを崩し、歯並びを外側に押し広げる原因となることがあります。また、舌で前歯を押し出すような「舌突出癖」も、前歯のすき間や出っ歯の原因となり、後戻りを引き起こすリスクを高めます。これらの癖に気づき、意識的に鼻で呼吸するよう心がけたり、舌を上顎の正しい位置(スポット)に置く習慣をつけたりすることが重要です。
もし、ご自身での改善が難しい場合は、口腔筋機能療法(MFT)と呼ばれる専門的なトレーニングも有効な選択肢です。これは、口腔周囲の筋肉を正しく使うための訓練を行うことで、悪癖を改善し、歯並びの後戻りを予防する効果が期待できます。歯科医師や専門家と相談し、必要に応じてこれらの習慣改善に取り組むことが、長期的な安定した歯並びの維持につながります。
口ゴボのマウスピース矯正に関するよくある質問
口元の突出感、いわゆる「口ゴボ」をマウスピース矯正で改善したいと考える方にとって、治療への期待とともに多くの疑問や不安を抱えるのは自然なことです。ここでは、そうした皆さまが特に気になるであろう質問を厳選し、Q&A形式で分かりやすく解説します。マウスピース矯正で口ゴボが悪化する可能性はないのか、治療中の痛みはどの程度なのか、さらには矯正によって顔の印象、特にほうれい線や頬のこけ具合が変わることはあるのか、といった具体的な疑問に専門的な見地からお答えしていきます。
これらの情報を通じて、皆さまが安心して治療に臨めるよう、具体的なイメージを持っていただければ幸いです。治療を始める前にこれらの疑問を解消し、納得した上で最適な選択をするための一助となることを目指します。
Q. マウスピース矯正で口ゴボが悪化することはありますか?
マウスピース矯正によって口ゴボが悪化する可能性は、残念ながらゼロではありません。特に、不適切な診断や治療計画のもとで治療が進められた場合、期待通りの結果が得られないだけでなく、かえって口元の突出感が強まってしまうリスクも考えられます。例えば、抜歯が必要なほど歯を大きく動かす必要のある症例にもかかわらず、無理に非抜歯で治療を進めようとした結果、歯が並びきらずに前方に傾いてしまい、口元がさらに突出してしまうケースなどが挙げられます。
このような事態を避けるためには、治療を開始する前の精密検査と、それに基づく正確な診断が何よりも重要です。横顔の骨格を分析するセファログラムや、顎の骨の状態を立体的に把握する歯科用CTなどの検査を適切に行い、口ゴボの原因が「歯性」なのか「骨格性」なのかを正確に見極める必要があります。
また、経験豊富な矯正歯科医による治療計画が不可欠です。複数の治療選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリットを具体的に説明してくれる医師を選ぶことで、安心して治療に臨むことができるでしょう。万が一、悪化の可能性やリスクについて十分な説明がない場合は、他のクリニックでのセカンドオピニオンも検討することをおすすめします。
Q. 治療中に痛みはありますか?
マウスピース矯正では、歯を動かす際に痛みを感じることがあります。特に、新しいマウスピースに交換した直後の数日間は、歯に力がかかることによって締め付けられるような圧迫感や軽い痛みを感じることが一般的です。これは、歯が新しい位置へ動き始める際に生じる生理的な反応であり、多くの場合、数日で徐々に和らいでいきます。
痛みの感じ方には個人差がありますが、一般的にはワイヤー矯正と比較してマウスピース矯正の方が痛みが少ないと感じる方が多い傾向にあります。マウスピース矯正は弱い力を継続的に加えることで歯を動かすため、ワイヤー矯正のように調整後に強い力がかかりすぎるような感覚は少ないと考えられています。ただし、痛みの閾値は人それぞれ異なるため、全く痛みを感じないというわけではありません。
もし痛みが我慢できないほど強い場合や、長期間にわたって痛みが続く場合は、我慢せずに速やかに担当の歯科医師に相談してください。マウスピースの適合不良や、その他の問題が原因となっている可能性も考えられるため、適切な対処が必要になります。
Q. ほうれい線が深くなる、顔がこけるって本当ですか?
矯正治療による顔貌の変化は、多くの方が気にされる点でしょう。口ゴボの場合、口元の突出感が改善されることで、全体として顔の印象が大きく変化する可能性があります。ポジティブな変化としては、口元がすっきりすることで鼻が高く見えたり、口周りの筋肉の緊張が和らいでほうれい線が薄く見えたりすることが期待できます。これにより、顔全体にメリハリが生まれ、若々しい印象になることも少なくありません。
一方で、顔がこけたように見える、あるいはほうれい線が深くなったと感じる可能性も全くないとは言い切れません。特に、抜歯を伴う矯正治療で口元が大きく内側に入りすぎた場合、頬が痩せたように見えたり、口元の変化がほうれい線の見え方に影響を与えたりするケースも報告されています。また、矯正中に食事がしにくくなることで体重が減り、結果的に顔がこけた印象になることも考えられます。
これらの顔の変化には個人差が非常に大きく、治療計画の段階で3Dシミュレーションなどを活用し、治療後の口元や横顔の予測を確認することが大切です。担当の歯科医師と顔貌の変化について十分に話し合い、納得できる治療計画を立てることで、治療後の後悔を減らすことができるでしょう。
まとめ:自分の口ゴボのタイプを知り、最適な治療法で自信の持てる横顔へ
口元の突出感に悩む「口ゴボ」の改善を考える際、マウスピース矯正は大変魅力的な選択肢です。透明で目立ちにくく、日常生活への影響が少ないというメリットは、多くの方にとって大きな魅力でしょう。しかし、マウスピース矯正は万能ではありません。歯並びが原因の「歯性」の口ゴボには効果が期待できる一方、顎の骨格に問題がある「骨格性」の口ゴボの場合、単独での改善には限界があることを理解しておくことが大切です。
ご自身の口ゴボがどのようなタイプなのかを正確に把握することが、治療を成功させるための最初の、そして最も重要なステップです。そのためには、精密検査を通じて「歯性」なのか「骨格性」なのかを正しく診断してもらう必要があります。横顔の骨格を分析するセファログラムや、顎の骨の状態を立体的に把握できる歯科用CTなどの検査は欠かせません。
精密な診断のもと、マウスピース矯正、ワイヤー矯正、場合によっては外科的矯正治療といった多様な選択肢の中から、ご自身に最適な治療法を選びましょう。信頼できる矯正歯科医とじっくり相談し、治療のメリット・デメリット、期間、費用、そして何よりも期待できる変化について、納得がいくまで説明を受けることが、後悔のない結果と自信の持てる美しい横顔を手に入れるための近道となります。
少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
日本大学歯学部卒業後、現在に至る。
【略歴】
・日本大学歯学部 卒業
さいたま市浦和区浦和駅から徒歩5分の歯医者・矯正歯科
『浦和サンデー歯科・矯正歯科』
住所:埼玉県さいたま市浦和区仲町1丁目10-1 PORAMビル 1F
TEL:048-826-6161