口内炎が治らない原因は?長引く痛みを早く治すための対処法
浦和区浦和駅から徒歩5分の歯医者・矯正歯科「浦和サンデー歯科・矯正歯科」です。

「なかなか口内炎が治らない」「痛くて食事や会話がつらい」と日々感じていませんか。多くの口内炎は1~2週間で自然に治ることがほとんどですが、中には2週間以上長引いたり、頻繁に再発したりするものもあります。このような治りにくい口内炎は、単なる体調不良だけでなく、生活習慣や口腔内の環境、さらには全身の病気が隠れているサインかもしれません。

この記事では、長引く口内炎の主な原因から、放置すると危険な症状の見分け方、ご自身でできる対処法、そして歯科医院で受けられる専門的な治療までを網羅的に解説します。原因を正しく理解し、適切な対処法を知ることで、つらい口内炎の痛みから解放され、再発の不安を解消する一助となるでしょう。不安な症状がある場合は、自己判断せずに専門家へ相談することの重要性もお伝えします。

Table of Contents

なぜ?口内炎が治らない・長引く5つの主な原因

多くの口内炎は、体調不良やちょっとした傷が原因で発生し、通常1〜2週間程度で自然に治癒していくものです。しかし、なかなか治らなかったり、繰り返しできてしまったりする口内炎に悩まされている方も少なくありません。

口内炎が長引く背景には、単一の要因だけでなく、複数の要素が複雑に絡み合っていることが多くあります。ご自身の口内炎がなぜ治りにくいのかを知ることは、適切な対処法を見つけ、つらい症状から解放されるための第一歩となります。

ここでは、口内炎が治らない、あるいは長引いてしまう主な原因として、

免疫力の低下

栄養バランスの乱れ

物理的な刺激

口腔内の環境

ウイルスや細菌の感染、薬の副作用

の5つを詳しく解説していきます。ご自身の生活習慣や口の中の状態を振り返りながら、当てはまる原因がないか確認してみてください。単なる偶然や体質だと諦めるのではなく、原因を知ることが改善への道を開きます。

1. 免疫力の低下(ストレス・疲労・睡眠不足)

口内炎がなかなか治らない、あるいは再発を繰り返す原因として、最も多くの人が経験するのが「免疫力の低下」です。私たちの体は、常に外部からの刺激や細菌・ウイルスにさらされていますが、免疫システムが適切に機能していれば、これらを排除し、健康な状態を保つことができます。口の中の粘膜も例外ではありません。

日々の生活の中で、仕事のプレッシャーや人間関係の悩みによる精神的なストレス、残業や家事育児による慢性的な疲労、そして十分な睡眠が取れていない状態は、知らず知らずのうちに体の防御機能を低下させます。免疫力が低下すると、口の粘膜のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)が滞りやすくなり、小さな傷や炎症が通常よりも長引きやすくなります。特に多忙な現代人は、こうした状況に陥りがちで、口内炎の発生リスクを高めてしまう傾向にあります。

通常であれば、多少の粘膜の傷は自己修復能力によってすぐに治癒しますが、免疫力が低下していると、この再生能力が十分に発揮されません。その結果、一度できた口内炎がなかなか治らず、痛みと不快感が長く続いてしまうという悪循環に陥ることがあります。

2. 栄養バランスの乱れ(ビタミンB群の不足)

口の粘膜が健康な状態を保ち、傷ついても速やかに修復されるためには、特定の栄養素が不可欠です。特に重要なのが、ビタミンB群、中でもビタミンB2とB6です。これらのビタミンは、皮膚や粘膜の健康維持に深く関わっており、不足すると口内炎ができやすくなったり、治りが遅くなったりする原因となります。

現代の食生活では、外食やコンビニエンスストアの食品、インスタント食品に頼ることが多く、栄養バランスが偏りがちです。特にビタミンB群は水溶性で体に蓄積されにくいため、毎日の食事から意識的に摂取する必要があります。ビタミンB2が不足すると口角炎や舌炎、B6が不足すると皮膚炎などを引き起こすことが知られており、口内炎と密接な関係があります。

また、ビタミンB群の他にも、体の抵抗力を高めるビタミンCや、細胞の再生に関わる鉄分、亜鉛なども口内炎の治癒を助ける上で重要な栄養素です。これらが不足すると、口内炎だけでなく全身の不調にもつながる可能性があります。ビタミンB群を豊富に含む食品としては、レバー、豚肉、卵、納豆、うなぎ、乳製品、ほうれん草などが挙げられます。これらの食品をバランス良く食事に取り入れることで、口内炎の予防と早期回復が期待できます。

3. 物理的な刺激(歯の接触・矯正器具・火傷)

口内炎の発生や治癒を妨げる直接的な原因として、口の中の粘膜に対する物理的な刺激が挙げられます。私たちの口の中は非常にデリケートな粘膜で覆われており、ちょっとした刺激でも傷つきやすいものです。

よくあるケースとしては、食事中に誤って頬の内側や舌を噛んでしまったり、歯磨きの際に歯ブラシで強く擦りすぎたりすることがあります。また、歯並びが悪く、特定の歯の尖った部分が常に粘膜に当たっている場合や、合わない入れ歯、矯正器具のワイヤーなどが擦れることでも、同じ場所に慢性的な刺激が加わり、口内炎が発生しやすくなります。さらに、熱い飲食物を口にした際に起こる火傷も、粘膜の損傷から口内炎へと発展することがあります。

これらの物理的な刺激による口内炎は、原因となる刺激が取り除かれれば比較的早く治癒する傾向にあります。しかし、同じ場所に繰り返し口内炎ができる場合は、単なる偶然ではなく、詰め物や被せ物の不具合、尖った歯、歯列の問題など、歯科的な原因が隠れている可能性が高いです。このような場合、セルフケアだけで解決しようとしても、根本的な原因が解消されないため治癒が遅れ、再発を繰り返すことになります。痛みが長引くようであれば、一度歯科医院で相談してみることをおすすめします。

4. 口腔内の環境(不衛生・乾燥)

口の中の環境は、口内炎の発生と治癒の速度に大きく影響します。特に、口腔内の不衛生な状態と乾燥は、口内炎を悪化させ、治りにくくする主要な要因です。

歯磨きが不十分で口の中に食べかすが残っていたり、歯垢(プラーク)が溜まっていたりすると、細菌が繁殖しやすい環境が作られます。口の中の粘膜に小さな傷ができた際、この細菌が傷口に入り込むことで炎症が悪化し、口内炎がなかなか治らなくなってしまいます。また、歯周病や虫歯がある場合も、口の中の細菌がより活発になり、口内炎の発生リスクを高めることがあります。

もう一つの重要な要因が、唾液の分泌量が減って口の中が乾燥する「ドライマウス(口腔乾燥症)」です。唾液には、口の中の食べかすを洗い流す「自浄作用」や、細菌の増殖を抑える「抗菌作用」があります。唾液が減って口の中が乾燥すると、これらの作用が低下し、粘膜が傷つきやすくなるだけでなく、一度できた口内炎も治りにくくなってしまいます。ドライマウスの原因としては、口呼吸の癖、加齢による唾液腺機能の低下、特定の薬剤の副作用などが挙げられます。口の中の清潔を保ち、乾燥を防ぐことは、口内炎の早期治癒と再発予防のために非常に重要です。

5. ウイルスや細菌の感染、薬の副作用

口内炎の中には、一般的なアフタ性口内炎とは異なる原因で発生し、専門的な治療が必要となるものもあります。その一つが、ウイルスや細菌の感染による口内炎です。

最も代表的なのが、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる「ウイルス性口内炎(ヘルペス性口内炎)」です。これは、唇の周りや口の中に小さな水ぶくれ(水疱)が多発し、それが破れて潰瘍になるのが特徴です。特に、初めて感染した乳幼児に多く見られ、高熱や強い痛み、リンパ節の腫れなどを伴うことがありますが、成人でも疲労やストレスで免疫力が低下した際に再発することがあります。また、特定の細菌感染が口内炎の原因となるケースもあり、この場合は抗菌薬による治療が必要となります。

さらに、一部の薬剤の副作用として口内炎が現れることもあります。例えば、抗生物質、高血圧治療薬(降圧剤)、糖尿病治療薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、そして抗がん剤などが原因となることがあります。これらの薬剤は、口の中の粘膜に直接影響を与えたり、体の免疫バランスを変化させたりすることで、口内炎を引き起こす可能性があります。薬剤が原因と考えられる口内炎の場合は、自己判断で服用を中止せずに、必ず医師や薬剤師に相談し、適切な処置や薬剤の変更を検討してもらうことが不可欠です。これらの特別な原因による口内炎は、原因に応じた専門的な治療が求められるため、医療機関での正確な診断が非常に重要となります。

【セルフチェック】2週間以上治らないのは危険?病院を受診すべき口内炎のサイン

ほとんどの口内炎は、体調を整えることで1週間から2週間程度で自然に治ることがほとんどです。しかし、中には2週間以上長引いたり、特定の症状を伴ったりする口内炎もあり、これらは注意が必要な場合があります。ご自身の口内炎の症状を客観的に判断するためにも、これからご紹介するサインに当てはまるものがないか、ぜひセルフチェックしてみてください。

もし、これらのサインのいずれかに一つでも当てはまる場合は、単なる体調不良による口内炎ではなく、他の病気が隠れている可能性も考えられます。自己判断で様子を見続けてしまうと、治療が遅れてしまうリスクもあるため、できるだけ早く専門医、特に歯科医院や口腔外科に相談することをおすすめします。

「たかが口内炎」と軽視せずに、ご自身の体からの大切なサインとして受け止め、適切な医療機関を受診することで、早期発見・早期治療につながります。不安な気持ちを抱え込まずに、ぜひ一度専門家の診察を受けてみましょう。

大きさや形が変化している、数が増えている

病院を受診すべき口内炎のサインとして、その大きさや形、そして数の変化は重要な指標となります。一般的なアフタ性口内炎は、通常直径数ミリ程度の円形または楕円形をしており、多くの場合、1~2週間で徐々に小さくなり治癒へと向かいます。

しかし、もし2週間以上経過しても口内炎が治らず、むしろ徐々に大きくなっている、あるいは1cmを超えるような大型になっている場合は注意が必要です。また、口内炎の形がいびつになってきた場合も、安易に自己判断せずに専門医に相談してください。さらに、一つ治るか治らないかのうちに、次々と新しい口内炎ができてしまい、その数が増え続けている場合も、単なる体調不良だけではない可能性が考えられます。

このような変化は、口の中の粘膜に何らかの異常が起きていることを示唆しているかもしれません。専門家である歯科医師や口腔外科医による詳細な診断を仰ぎ、適切な処置を受けることが大切です。

硬いしこりがある、または出血を伴う

口内炎の症状の中でも、特に注意が必要な危険なサインとして、「硬いしこり」と「出血」が挙げられます。口内炎の周囲や底の部分を指で軽く触れてみた際に、明らかに硬い塊(硬結)を感じる場合は、決して軽視してはいけません。これは、口腔がんなどの悪性腫瘍の可能性を疑うべき非常に重要な所見です。

また、歯ブラシが少し触れただけで簡単に出血したり、特に原因がないのに自然に出血したりする場合も、同様に危険な兆候の一つです。通常の口内炎であれば、通常は刺激を与えても出血することは稀です。このような症状が見られる場合は、自己判断で様子を見ることなく、直ちに口腔外科を受診してください。

早期発見、早期治療が非常に重要となるため、わずかな異変でも迷わずに専門医の診察を受けることが、ご自身の体を守る上で何よりも大切になります。

境界が不明瞭で、まだら模様になっている

口内炎の見た目にも、注意すべきサインが隠されています。通常の口内炎は、周囲の健康な粘膜との境界線が比較的はっきりと分かれていることが多いです。しかし、もしその境界がぼやけて不明瞭になっている場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。

さらに、潰瘍の中心部やその周囲が均一な色ではなく、赤色と白色が混じり合った「まだら模様」を呈している場合も、注意が必要です。これは、がん化する可能性のある前がん病変、例えば白板症(はくばんしょう)や紅板症(こうばんしょう)などのサインである可能性も考えられます。これらの病変は、自覚症状が少ないこともあり、見た目の変化に気づくことが早期発見につながります。

普段と違う見た目や、色調の異常に違和感を感じたら、「いつもと違う」という感覚を大切にして、ぜひ専門医に診てもらうようにしてください。

強い痛みや発熱など、口内炎以外の症状がある

口内炎の症状だけでなく、全身に現れる症状にも注意を払うことが重要です。口内炎の痛みが非常に強く、食事や水分補給も困難なほどである場合や、38度以上の高熱、顎の下や首のリンパ節の腫れや痛みなどを伴う場合は、ウイルス感染症など、他の病気が原因で口内炎が起きている可能性が考えられます。

また、口内炎と同時期に、口以外の場所に症状が出ている場合も、注意が必要です。例えば、皮膚に発疹ができたり、目の充血や痛みがあったり、外陰部に潰瘍ができたりしている場合は、ベーチェット病などの全身性の疾患の一症状として口内炎が現れている可能性も考えられます。これらの全身症状が見られる場合は、自己判断せずに、早急に医療機関を受診することが必要です。

口の中だけでなく、ご自身の体の変化全体に目を向け、いつもと違う症状がある場合は、迷わず専門医に相談し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

注意!ただの口内炎ではないかもしれない病気

なかなか治らない口内炎の背景には、時として重大な病気が隠れている可能性があります。ここでは、一般的な口内炎と似た症状を示す代表的な病気をいくつかご紹介します。これらの情報は、あくまでご自身の症状を理解するための一助としてご活用ください。ご自身で病気を診断するものではなく、正確な診断には必ず専門医による診察と、場合によっては精密検査が必要です。不安を感じる症状がある場合は、できるだけ早く医療機関にご相談ください。

多くの口内炎は一時的なものですが、特定の病気が原因の場合、放置すると重篤な結果を招くこともあります。例えば、数週間以上続く口内炎や、見た目に異変がある場合は、単なる疲れやストレスによるものと自己判断せずに、専門家の意見を求めることが大切です。

口腔がん(舌がんなど)

治らない口内炎の中で、最も警戒すべき病気の一つが口腔がん、特に舌がんです。初期の口腔がんは、見た目や痛みが一般的な口内炎と非常によく似ているため、見過ごされやすいという危険性があります。以前のセクションで解説したように、「2週間以上治らない」「硬いしこりがある」「出血しやすい」「境界が不明瞭」といったサインは、口腔がんを疑う上で非常に重要な特徴です。

口腔がんは早期発見・早期治療によって予後が大きく左右される病気です。少しでもこれらの疑わしい点がある場合は、ためらわずに口腔外科を受診することが非常に重要です。自己判断で様子を見ることなく、専門医の診断を仰ぎましょう。

白板症(はくばんしょう)

白板症とは、口の中の粘膜が白く厚くなり、こすっても剥がれない病変のことです。この病変は通常、痛みを伴わないため、ご自身で気づきにくい場合があります。しかし、白板症の一部は将来的にがん化する可能性があり、「前がん病変」に分類される重要な疾患です。

白板症と診断された場合は、たとえ自覚症状がなくても定期的に歯科医院を受診し、経過を観察することが大切です。病変の大きさや性状に変化がないか、専門医にチェックしてもらいましょう。場合によっては、組織の一部を採取して詳しく調べる生検(バイオプシー)が必要になることもあります。

ベーチェット病やシェーグレン症候群などの全身疾患

繰り返しできるアフタ性口内炎は、全身の病気の一症状として現れることがあります。代表的な疾患として、「ベーチェット病」が挙げられます。これは、口内炎のほかに皮膚症状、目の症状(ぶどう膜炎など)、外陰部潰瘍などを特徴とする全身性の炎症性疾患です。

また、唾液や涙の分泌が著しく減少する自己免疫疾患である「シェーグレン症候群」も、口腔内の乾燥から口内炎が頻繁に発生する原因となることがあります。これらの全身疾患が疑われる場合は、歯科や口腔外科だけでなく、膠原病などを専門とする内科や眼科、皮膚科など、複数の診療科による連携治療が必要となるケースが多いです。

ウイルス性口内炎(ヘルペス性口内炎など)

単純ヘルペスウイルスなどのウイルス感染が原因で起こる口内炎は、一般的なアフタ性口内炎とは異なる特徴を示します。このタイプの口内炎は、口の粘膜や唇に小さな水ぶくれ(水疱)が多発し、それが破れることでびらんや潰瘍になるのが特徴です。特に初めて感染した場合には、高熱や強い痛み、リンパ節の腫れなどを伴うことが多く、症状が重くなる傾向があります。

ウイルス性口内炎には、原因となるウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」による治療が有効です。そのため、医療機関で正確な診断を受け、症状に適した抗ウイルス薬を処方してもらうことが重要になります。

今すぐできる!長引く口内炎を早く治すための対処法

なかなか治らない口内炎は、日々の生活に大きな支障をきたし、心身ともにストレスとなります。これまでのセクションで、口内炎が長引く背景にある多様な原因や、時には重大な病気のサインとなりうる危険な症状についてご理解いただけたことと思います。このセクションでは、そうした口内炎の痛みやつらさを少しでも早く和らげ、快適な日常を取り戻すための具体的な対処法を詳しくご紹介します。

対処法には、ご自身で手軽に取り組める「自宅でできるセルフケア」と、より専門的なアプローチで根本的な解決を目指す「歯科医院で受けられる治療」の二つの側面があります。どちらか一方に偏るのではなく、ご自身の口内炎の症状や原因、また生活状況に合わせてこれらを適切に使い分けたり、あるいは組み合わせて実践したりすることが、早期の改善と、口内炎の再発を防ぐための大切な鍵となります。

「たかが口内炎」と軽視されがちですが、適切な対処をすることで、そのつらさは劇的に軽減し、再発の不安からも解放されることができます。具体的な対処法を知り、実践することで、悩まされ続けてきた口内炎の問題を解決するための一歩を踏み出しましょう。

自宅でできるセルフケア

ご自宅で実践できるセルフケアは、口内炎の痛みを和らげ、さらなる悪化を防ぎ、自然治癒力を補助することを目的としています。これらの方法は、つらい症状があるときに一時的な対処として非常に有効ですが、口内炎の根本的な原因そのものを解消するものではない場合もあります。

例えば、歯の詰め物が当たってできる口内炎や、特定の病気が原因で起こる口内炎など、物理的な刺激や全身疾患が背景にある場合は、セルフケアだけでは症状の改善が見込めないことがあります。また、一般的な口内炎は1~2週間程度で自然に治ることが多いですが、もし2週間以上症状が改善しない、あるいは悪化していると感じる場合は、セルフケアだけで解決しようとせずに、速やかに歯科医院などの専門機関を受診することが大切です。ご自身の症状を注意深く観察し、適切なタイミングで専門家の助けを求めるようにしましょう。

市販薬(塗り薬・貼り薬)を適切に使う

ドラッグストアなどで手軽に購入できる市販の口内炎治療薬は、急な口内炎の痛みや炎症を和らげるのに非常に役立ちます。これらの薬には、大きく分けて「軟膏(塗り薬)」「パッチ(貼り薬)」「スプレータイプ」の3種類があり、それぞれの特徴を理解して使い分けることが効果を高めるポイントです。

「軟膏」は、炎症を抑える成分や殺菌成分を含んでおり、患部に直接塗ることで痛みを軽減し、治癒を促します。一方、「パッチ」は患部に貼ることで、食べ物や歯による物理的な刺激から口内炎を保護し、薬効成分が長時間患部に留まるため、持続的な効果が期待できます。特に、食事中に頬を噛んでしまう癖がある方や、矯正器具が当たってしまう方におすすめです。「スプレータイプ」は、口の奥など、手が届きにくい場所にできた口内炎にも簡単に使用できるという利便性があります。

どのタイプの市販薬を使用する場合でも、製品に添付されている説明書を必ずよく読み、用法・用量を守って正しく使用することが重要です。また、5~6日間使用しても症状が改善しない、あるいはかえって悪化するような場合には、自己判断で使い続けるのは避け、使用を中止して医療機関を受診するようにしてください。口内炎の背景に、より専門的な治療が必要な原因が隠れている可能性も考えられます。

食事の工夫(刺激物を避け、ビタミンB群を摂る)

口内炎のつらい痛みを悪化させないためには、食事の際にいくつかの工夫が必要です。まず、香辛料の効いた辛い料理、酸味の強い食品(レモンやオレンジなどの柑橘類、お酢を使った料理など)、極端に熱いものや冷たいものは、口内炎の患部に刺激を与え、痛みを増強させてしまうことがありますので、できるだけ避けるようにしましょう。また、硬い煎餅やフランスパンなども、口の中を傷つけやすいため、症状が改善するまでは控えることをおすすめします。代わりに、柔らかく、刺激の少ない、人肌程度の温度のものを意識して摂るようにしてください。

さらに、口内炎の治癒を早め、再発を防ぐためには、粘膜の健康を保つ栄養素を積極的に摂ることが非常に重要です。特に、皮膚や粘膜の修復・再生に不可欠なビタミンB2やビタミンB6、そして体の抵抗力を高めるビタミンCは意識して摂りたい栄養素です。これらは、レバー、うなぎ、豚肉、卵、納豆、牛乳、ブロッコリー、パプリカ、キウイフルーツなどに豊富に含まれています。バランスの取れた食事を心がけ、これらの食品を積極的に取り入れるようにしましょう。もし、痛みがひどくて固形物が摂りにくい場合は、栄養バランスの取れたスープやスムージー、ゼリー飲料などを活用するのも良い方法です。

口腔内を清潔に保つ(うがい・丁寧な歯磨き)

口内炎の悪化や、細菌感染による二次的なトラブルを防ぐためには、口腔内を常に清潔に保つことが非常に重要です。食後は、食べかすが口の中に残らないよう、必ずうがいや丁寧な歯磨きを行うようにしてください。これにより、口の中の細菌の繁殖を抑え、口内炎の治癒を助ける環境を整えることができます。

うがいをする際は、刺激の少ないマウスウォッシュや、生理食塩水などを使うと良いでしょう。アルコール成分が多く含まれるうがい薬は、患部にしみることがありますので、避けるか、薄めて使うことをおすすめします。歯磨きの際は、口内炎の患部に歯ブラシの毛先が強く当たると痛みが増したり、傷が悪化したりする可能性があります。そのため、ヘッドが小さく、毛先が柔らかい歯ブラシを選び、患部を避けるか、非常に優しくブラッシングするよう心がけてください。

また、歯磨き粉に含まれる成分によっては、口内炎にしみて痛みを感じることがあります。もし痛みが強い場合は、一時的に歯磨き粉の使用を中止するか、低刺激性の、フッ素配合で粘膜に優しい製品を選ぶと良いでしょう。日々の丁寧なケアで、口の中を清潔に保ち、口内炎が早く治るようにサポートしてあげてください。

生活習慣を見直す(十分な睡眠・ストレス軽減)

長引く口内炎の背景には、免疫力の低下が大きく関わっていることが少なくありません。この免疫力の低下を改善し、口内炎の根本的な解決と再発防止を目指すためには、日々の生活習慣を見直すことが非常に大切です。特に重要なのが、「十分な睡眠」と「ストレスの軽減」です。

睡眠は、私たちの体が疲労を回復し、傷ついた細胞を修復・再生するために不可欠な時間です。睡眠不足は免疫力を著しく低下させ、口の粘膜の抵抗力も弱めてしまいます。毎日6~7時間程度の質の良い睡眠を確保することを目標に、就寝前のスマートフォンの使用を控える、寝室の環境を整えるなど、快適な睡眠のための工夫を意識してみてください。また、ストレスも免疫力低下の大きな要因となります。仕事のプレッシャーや人間関係、精神的な緊張などが続くと、体の防御機能が弱まり、口内炎ができやすくなります。

ウォーキングや軽いジョギングなどの運動、好きな音楽を聴く、湯船にゆっくり浸かる、アロマテラピーを取り入れるなど、ご自身に合ったリラックス方法を見つけて、意識的にストレスを発散する時間を作るようにしましょう。忙しい生活の中でも、これらの小さな工夫を取り入れることで、体全体の健康状態が改善し、口内炎の再発を防ぐことにもつながります。健やかな生活習慣を心がけ、口内炎に負けない体づくりを目指しましょう。

歯科医院で受けられる専門的な治療

「市販薬を試してもなかなか治らない」「痛みがひどくて食事もつらい」「同じ場所に繰り返しできる」といった場合には、我慢せずに歯科医院での専門的な治療を検討することが非常に有効です。歯科医院では、痛みを一時的に和らげる対症療法はもちろんのこと、なぜ口内炎ができてしまったのかという根本的な原因を特定し、再発を防ぐためのアプローチまで含めて診てもらうことができます。これが、ご自身でのセルフケアだけでは得られない大きなメリットです。

歯科医師は口の中の病気に関する専門家であり、口腔内の状態を詳細に診察することで、単なる口内炎なのか、それとも他の病気が隠れているのかを正確に診断することができます。市販薬とは異なる、より効果の高い医療用の薬剤の処方や、医療機器を使った治療など、ご自身の症状に合わせた最適な治療法を提案してもらえるでしょう。自己判断で悩んだり、対処法を模索し続けたりするよりも、専門家に相談する方が、結果として早く確実に口内炎の痛みから解放され、再発の不安を解消できることが多いのです。

特に、2週間以上治らない口内炎や、しこり、出血などの気になる症状がある場合は、自己判断せずに必ず歯科医院を受診してください。早期に専門家の診断を受けることで、万が一の重大な病気のリスクも低減し、安心して治療に取り組むことができます。

原因の特定と再発防止のための指導

歯科医院を受診する最大のメリットは、一時的な痛みの治療だけでなく、口内炎を繰り返す根本的な原因を特定し、その原因にアプローチすることで再発を未然に防ぐための具体的な指導を受けられる点にあります。ご自身の生活習慣や口の中の状態を細かく診察することで、自分一人では気づけなかった口内炎の原因が明らかになることも少なくありません。

例えば、特定の歯の尖った部分や、合わない詰め物・被せ物が常に粘膜に当たって傷つけていることが原因であれば、歯科医師はその部分を削って滑らかにする処置を行ったり、詰め物や被せ物を調整したりすることができます。また、歯磨きが不十分で口腔内の清掃状態に問題があり、細菌が繁殖しやすい環境になっている場合は、専門的なクリーニング(PMTC)を受けられるほか、患者さん一人ひとりに合った正しい歯磨き方法やデンタルフロスの使い方などの指導を受けられます。

さらに、食生活の偏りやストレス、睡眠不足といった生活習慣が口内炎の原因となっている場合には、栄養士と連携した食事指導や、ストレス軽減のためのアドバイスなど、専門家ならではの視点から具体的な助言を得られるでしょう。このように、歯科医院では単に「できた口内炎を治す」だけでなく、「なぜできたのか」「どうすれば再発を防げるのか」という根本的な解決策まで提示してもらえるため、長引く口内炎のサイクルを断ち切り、再発の不安から解放されるための大きな一歩となります。

治らない口内炎、何科を受診すればいい?

長引く口内炎に悩まされている方がいざ病院に行こうとしたとき、多くの方が「何科を受診すればよいのだろう」と迷ってしまうのではないでしょうか。口内炎は、ストレスや栄養不足といった一般的な原因から、物理的な刺激、さらには全身の病気まで、さまざまな要因で発生します。そのため、症状が現れている場所や、その症状に付随する体の状態によって、適切な診療科が異なる場合があります。

このセクションでは、口内炎の症状や疑われる原因に応じて、どの診療科を選ぶべきかの基本的な考え方と目安を分かりやすく解説していきます。正しい診療科を選ぶことは、的確な診断と適切な治療へとつながり、長引く口内炎の早期解決に不可欠です。

ご自身の症状と照らし合わせながら、最適な受診先を見つけるための参考にしてください。適切な医療機関を選ぶことで、不必要な遠回りを避け、より早く、確実に口内炎の悩みから解放されることでしょう。

まずは歯科・口腔外科への相談がおすすめ

口内炎で医療機関を受診する際の第一選択肢として、まずは「歯科」または「口腔外科」への相談を強くおすすめします。歯科医師は口の中の病気や状態を専門とするプロフェッショナルであり、口内炎の診断と治療に最も精通しています。特に「口腔外科」は、一般的な口内炎だけでなく、より複雑なケースや、口腔がんといった悪性腫瘍の早期発見・診断・治療を専門的に行っています。

万が一、口内炎だと思っていたものが口腔がんの初期症状だった場合でも、口腔外科であれば見逃すことなく、迅速かつ適切な対応が可能です。そのため、口内炎が長引いたり、少しでも気になる症状がある場合は、まず口腔外科を受診することが最も安心で信頼できる選択肢と言えるでしょう。

普段から通っているかかりつけの歯科医院があれば、まずはそこで相談し、必要に応じて専門的な検査や治療が可能な口腔外科を紹介してもらうのがスムーズな流れです。専門医の診察を受けることで、不必要な不安を解消し、適切な治療へと確実に進むことができます。

まとめ:長引く口内炎は放置せず、専門家へ相談を

この記事を通じて、なかなか治らない口内炎の背景には、単なる体調不良だけでなく、様々な原因が複雑に絡み合っていること、そして時には重大な病気が隠れている可能性もあることをお伝えしました。「たかが口内炎」と軽視してしまいがちですが、2週間以上症状が続く場合や、しこり、出血、大きさや形に変化が見られる場合は、決して放置しないことが大切です。

つらい痛みを早く和らげ、食事や会話のストレスから解放されるためにも、そして何よりも「もしかしたら何か危険な病気かもしれない」という不安を解消し、安心を得るためにも、まずは口の専門家である歯科医院、特に口腔外科へ相談することが最善の策と言えるでしょう。自己判断で市販薬を使い続けたり、様子を見たりしているうちに、症状が悪化したり、より深刻な病気の発見が遅れてしまったりするリスクも考えられます。

歯科医院では、口内炎の原因を正確に特定し、それぞれの症状に合わせた専門的な治療を受けられます。レーザー治療で痛みを速やかに軽減したり、効果の高い医療用薬剤を処方してもらったりするだけでなく、生活習慣や口腔ケアに関する具体的なアドバイスを通じて、再発を根本から防ぐためのサポートも期待できます。ぜひ一歩踏み出して専門家に相談し、長引く口内炎の悩みから解放され、健やかな毎日を取り戻しましょう。

少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

林 悠太 | Yuta Hayashi

日本大学歯学部卒業後、現在に至る。

【略歴】
日本大学歯学部 卒業

さいたま市浦和区浦和駅から徒歩5分の歯医者・矯正歯科
浦和サンデー歯科・矯正歯科
住所:埼玉県さいたま市浦和区仲町1丁目10-1 PORAMビル 1F
TEL:048-826-6161